ドローンを飛ばす前に!包括申請とは?DIPS2.0での申請方法を解説いたします。

航空法によって、一定のエリアでドローンを飛行させる場合には、国土交通省からの許可が必要です。
とはいえ、飛行のたびに都度申請を行うのは、時間も手間もかかってしまいますよね。
そんなときに便利なのが「包括申請」という方法です。
これは、特定の条件下での飛行を一括して申請できる制度で、業務や趣味で頻繁にドローンを飛ばす方にとっては大きな時短につながります。
この記事では、この包括申請について、そのメリットや申請の流れをわかりやすくご紹介していきます。
ご説明内容
- 包括申請の内容とは?
- 包括申請は万能?
- 包括申請の手順の説明
- 包括申請の更新
ドローンの「包括申請」とは?内容を解説!

ドローンを飛ばす際、
航空法で規定された制限区域内や、夜間の飛行、操縦者から見えない範囲での飛行、または人や建物などから30メートル未満の距離で飛行させる場合は、あらかじめ国土交通省の許可を取得する必要があります。
この許可の申請方法には、大きく分けて「個別申請」と「包括申請」の2パターンがあります。
まずは、それぞれの申請方法の特徴や違いについて見ていきましょう。
包括申請と個別申請の違いとは?
個別申請は、特定の日付・飛行ルートに基づいたドローンの運用に対して、1回限りの許可を得る方式です。
飛行日時やルートが事前に決まっていることが前提となり、その都度申請が必要になる点が特徴です。
この方法は、包括申請に比べて承認されやすい傾向がありますが、申請後にスケジュールや飛行ルートを変更することはできません。
一方、包括申請は、たとえば「決まった期間内に何度も飛行する予定がある」「複数の場所で作業を行いたい」といったケースに最適です。
あらかじめ一定の条件をまとめて申請することで、1回の手続きで複数の飛行に対する許可を得られるため、継続的な業務においては非常に便利な方法といえます。
包括申請、実は2種類!?
非常に便利な包括申請ですが、実は「期間包括申請」と「飛行経路包括申請」の2種類に分類されます。
期間包括申請
期間包括申請は、特定の場所でドローンを一定期間にわたって繰り返し飛行させる場合に利用できる申請方法です。
この方式を利用すれば、毎回の飛行ごとに個別で申請をする必要がなく、たとえば天気の変化や当日の状況に応じて飛行日を柔軟に変更することが可能になります。
ドローンの飛行が許可される期間については、最長で1年間と定められており、その間であれば対象エリアでの繰り返し飛行が認められます。
飛行経路包括申請
飛行経路包括申請は、ドローンを複数の異なる場所で飛行させたい場合に活用できる申請方法です。
この申請を行うことで、各飛行地点ごとに個別で申請をする必要がなく、1回の手続きでまとめて許可を取得することができます。
また、飛行ルートが完全に確定していないものの、たとえば「〇〇市全域」や「〇〇県内の特定エリア」など、ある程度の範囲が特定されている場合にもこの申請方法が適しています。
包括申請おススメの理由

包括申請を活用することで、ドローン運用において次のような利点があります:
- 飛行のたびに申請する手間が省ける
- 申請作業にかかる時間や労力を削減できる
- 天候の急変や予定変更などにも柔軟に対応可能
これらの利点を活かすことで、よりスムーズで効率的なドローン運用が実現できます。
以下では、それぞれのメリットについて詳しくご紹介します。
毎回の飛行の度に申請する必要なし
包括申請を活用する最大のメリットは、繰り返し発生する申請作業を大幅に削減できる点にあります。
たとえば、同一の条件や飛行ルートでドローンを何度も飛行させる場合、個別申請ではその都度手続きを行う必要があり、時間も労力もかかってしまいます。
しかし包括申請であれば、申請時に設定した条件と飛行計画に沿っていれば、一定期間内は毎回申請する必要がなく、そのまま飛行を行うことが可能になります。
申請手続きの手数料も削減できる
ドローンの飛行許可を取得する際には、申請手数料が発生します。
1回の申請につき、おおよそ1機あたり900円~2,000円前後の費用がかかるため、単体で見ればそれほど高額ではないかもしれません。
しかし、業務利用などで飛行の回数が増えると、その分だけ申請回数も増え、結果として費用負担が大きくなる可能性があります。
そこで活用したいのが包括申請です。この方法を使えば、申請手続きの回数を減らせるだけでなく、手数料の総額も抑えることができるため、経済的なメリットも非常に大きいといえます。
スケジュール変更も可能
ドローンは天候の影響を受けやすく、風が強い日や雨天時には安全な飛行が難しくなることも多くあります。
特に天気が変わりやすい季節には、晴れていた空が突然雨になるといったケースも珍しくありません。
そのため、予定していた日に飛行ができず、計画の見直しや申請のやり直しが必要になることもあります。
このような不確定要素に対応しやすいのが包括申請です。
最長で1年間有効な許可が得られるため、突発的なスケジュール変更にも柔軟に対応でき、再申請の手間を減らすことが可能です。
包括申請でできること

包括申請が適用される代表的な飛行ケースは、以下の通りです。
- 人口集中地区(DID)での飛行
- 夜間のドローン飛行
- 目視が届かない範囲での操縦
- 人や物件から30メートル未満の距離での飛行
- 危険物の空輸
- 物件の投下行為
これらの飛行はすべて航空法で特別な制限が設けられており、事前に許可を取得しなければなりません。
対象となる飛行内容に該当する場合は、従来の「個別申請」に加えて、包括申請による許可取得も可能です。業務や撮影などで繰り返し飛行する予定がある場合には、包括申請の活用をおすすめします。
包括申請は業務目的でのドローン運用に適した制度
包括申請は、業務を目的としてドローンを飛行させる場合にのみ申請が可能な制度です。
特に以下のような用途でドローンを使用する場合に、包括申請の利用を強くおすすめします:
- 空撮業務
- インフラや設備の点検作業
- 農薬散布の作業
たとえば空撮や点検は、天候の変化によって当日中止や日程変更が発生しやすい業務です。
包括申請を取得しておけば、申請時に定めた有効期間内であれば、再申請なしで日程の調整が可能になります。
ただし注意点として、
- 空撮の場合、イベント会場の上空は原則飛行不可
- 点検でモニターを確認しながら操縦する場合は、目視外飛行の承認も別途必要
といった条件がありますので、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
また、農薬の空中散布については、年に一度の作業であっても包括申請を取得しておくと便利です。
有効期限は1年間ですが、次年度も継続する場合は更新だけで済み、毎年の申請作業を大幅に軽減できます。
包括申請の流れを解説

ここでは、ドローンの包括申請を行う際の基本的な手順についてご紹介します。
おおまかな流れは次のとおりです:
STEP 1|申請のための事前準備
まずは、飛行目的やエリア、機体情報などの整理からスタート。
飛行予定が業務目的であり、包括申請の対象条件に該当しているかを確認しましょう。
STEP 2|申請書の作成と提出
次に、申請書を作成して必要な書類とともに提出します。
国土交通省が提供するオンライン申請システム(DIPS)を活用するとスムーズです。
STEP 3|飛行日誌の作成・管理
許可を得た後は、飛行ごとの記録を「飛行日誌」にまとめて管理します。
これは、包括申請で許可された範囲内で運用するうえで重要な義務のひとつです。
それでは、各ステップの詳細を順を追って確認していきましょう。
STEP 1|申請のための事前準備
包括申請は、すべての飛行ケースで自由に利用できるものではありません。
適用にはいくつかの制限があり、飛行する場所や高度によっては対象外となることもあります。
また、最も重要なのは、飛行の目的が業務利用であることが前提という点です。
個人の趣味やレジャー目的での飛行については、包括申請の対象外となるため、その都度「個別申請」での手続きが必要となります。
STEP 2|申請書の作成と提出
包括申請を行う際は、申請書の作成と提出方法として大きく2つの手段があります。
1つは、書類を紙で作成し、窓口へ持参または郵送で提出する方法。
もう1つは、「DIPS2.0」というオンラインシステムを使って、インターネット上で申請を完了させる方法です。
ただし、書面での申請は記入ミスが起きやすく、書類作成にも手間がかかるため、利便性の高いオンライン申請がおすすめです。
DIPS2.0を活用すれば、申請の進捗確認や履歴管理もスムーズに行うことができます。
STEP 3|飛行日誌の作成・管理
2022年12月に施行された航空法の改正により、ドローンの飛行に関するルールが一部変更されました。
これに伴い、飛行実績の報告は任意となった一方で、飛行日誌の作成が義務化されています。
飛行日誌には、単に飛行の内容を記録するだけでなく、
- 機体の日常点検結果
- 定期的な整備記録
なども所定のフォーマットで記載する必要があります。
また、飛行実績の提出は原則不要になったものの、国から提出を求められた場合には、提出できる状態で記録を保管しておかなければなりません。
そのため、日頃から飛行日誌を正確に管理しておくことがとても重要です。
STEP 1|申請のための事前準備

包括申請は非常に便利な申請方法ですが、すべての状況で利用できるわけではありません。
特定の条件下では、包括申請自体が認められない場合もありますので、その点を事前に確認しておくことが重要です。
包括申請に必要なもの
包括申請を行う際には、以下の情報を事前に準備しておく必要があります:
- 緊急連絡先(氏名および電話番号)
- ドローン情報基盤システムのアカウント(例: ABC123456 ※英字3文字+数字6文字)
- 飛行計画および機体情報
- 使用するマニュアルの詳細
- 操縦者の情報
- 保険などの関連情報
これらの情報を準備することで、申請手続きがスムーズに進みます。事前に確認しておくことをおすすめします。
飛行計画を立てておきましょう
包括申請を行う前に、飛行計画をしっかりと決定しておくことが重要です。
計画を立てる際には、以下の5つのポイントを確認しておきましょう:
- 飛行日時と期間
- 飛行場所
- 操縦者の情報
- 使用する機体の詳細
- 飛行の目的
これらの情報を基にして、飛行計画と許可申請内容を決定します。
また、包括申請は様々な書類の記入や資料の準備が必要なため、数日で準備を完了することは難しいです。
最低でも2週間以上の準備期間を見込んで、審査に必要な10開庁日を加えたスケジュールを立てるようにしましょう。
実際に飛行を開始できる日程は、申請準備を始めてから最低4週間後となる可能性が高いことを考慮しておくと安心です。
包括申請ができない飛行方法
いくつかの特定の条件に該当する場合、包括申請ではなく個別申請を行う必要があります。
以下に、包括申請が認められないケースとその理由を示します。
該当する飛行内容 | 個別申請が必要な理由 |
---|---|
地表から150メートルを超える高度での飛行 | 包括では認められず、飛行ルートを明確にして個別申請が求められます。 |
空港周辺の空域を飛行する場合 | 空港事務所の事前許可を得たうえで、飛行経路を明示し申請が必要です。 |
人口集中地区(DID)における夜間飛行 | 夜間かつ人口集中エリアでは、飛行ルートに加え、飛行日時も明確にする必要があります。 |
補助者を置かないで行う目視外飛行 | 安全性の観点から、飛行経路の特定を前提とした個別申請が必要です。 |
催し物の上空を飛行する場合 | イベントの上空は原則包括申請の対象外となり、個別申請での対応となります。 |
レジャーや趣味などの非営利目的の飛行 | 包括申請は基本的に事業としての運用が前提です。 ※ただし、収益化を目的とした場合は対象となることもあります。 |
地表から150メートルを超える高度での飛行
ドローンを地表や水面から150メートルを超える高さで飛行させる場合には、専用の「高度150m以上の飛行許可」を取得する必要があります。
また、国土交通省の運用では、全国一律で場所を特定せずにこの高度での飛行を認める包括許可は行っていません。
そのため、150mを超える空域での飛行を予定している場合には、その都度、該当エリアを所管する空港事務所へ個別に申請を行う必要があります。
空港周辺の空域を飛行する場合
150m以上の高度での飛行と同様に、空港の敷地内やその周辺エリアでドローンを飛ばす場合も、毎回エリアごとに個別の申請が必要となります。
これは、空港やその周辺、または150m以上の高度といった空域では、飛行を審査・許可する機関が各地で異なる(空港事務所単位)ため、全国を対象とした一括申請ができないという事情があるためです。
人口集中地区(DID)における夜間飛行
夜間に、かつ人口集中地区(DID)内でドローンを飛ばす場合は、包括申請の対象外となります。
「人口集中地区での飛行」や「夜間飛行」自体は、それぞれ単独であれば包括申請が認められるケースもありますが、これらを同時に行う場合には、飛行ごとに詳細を記載した個別の許可申請が必要となります。
補助者を置かないで行う目視外飛行
ドローンを操縦者の目が届かない場所で飛ばす、いわゆる目視外飛行のうち、操縦者の近くに補助者を置かずに行う飛行は、包括申請の対象外となります。
目視外飛行を計画しており、包括申請を希望する場合は、必ず補助者を配置することが申請の条件となりますのでご注意ください。
夜間の目視外飛行
「夜間飛行」と「目視外飛行」を組み合わせた飛行は、国土交通省が定める標準マニュアルの中で実施が認められていない飛行方法となっています。
そのため、日没後に目視外での運航を計画している場合は、あらかじめ独自の飛行マニュアルを作成し、個別に申請を行う必要があります。
レジャーや趣味などの非営利目的の飛行
国土交通省の公式な資料には明記されていませんが、個人の趣味としてのドローン飛行は包括申請の対象外とされています。
一方で、明確な定義はないものの、たとえば以下のようなケースは業務利用とみなされ、包括申請が認められる傾向にあります:
- 依頼を受けての空撮(有償・無償を問わず)
- 自社所有の建物や土地の点検
- 農薬散布などの農作業支援
- 工事現場の進行記録の撮影
このように、営利目的かどうかに関わらず、業務に関連した飛行であれば法人・個人を問わず包括申請が可能です。
対して、完全に趣味として飛行させる場合は、個別に飛行ごとの申請を行う必要があります。
STEP 2|申請書の作成と提出

包括申請に必要な申請書の作成・送付方法について確認しましょう。
包括申請の申請方法は3種類
ドローンの飛行許可申請は、以下のいずれかの方法で提出することが可能です:
- 窓口での持参提出
管轄の航空局や地方航空機関に直接持ち込んで申請を行う方法です。 - 郵送による提出
必要書類を郵送で提出することもできます。確認や返信に多少の時間がかかる点に注意が必要です。 - オンライン申請(DIPS2.0の利用)
国土交通省が提供する「DIPS2.0」システムを使えば、インターネット上で24時間いつでも申請手続きが行えます。申請から承認までの流れもスムーズに進むため、現在最も主流な方法となっています。
窓口での持参提出
申請書のダウンロードと記入
国土交通省の公式ホームページから、申請書のフォーマット(Word形式)をダウンロードします。その後、必要事項を正確に記入します。
添付資料の準備
申請書の記入が完了したら、必要な添付資料を揃えます。これらを申請書と一緒に提出することが求められます。
提出先の選定と提出
完成した申請書と資料を、飛行場所を管轄する窓口に提出します。具体的な提出先は次の通りです:
- 空港周辺や150m以上の上空での飛行の場合は、「空港事務所」へ提出
- それ以外の場所での飛行の場合は、「地方航空局」へ提出
各航空局や空港事務所の管轄エリアは、公式のリストで確認できます。
郵送による提出
申請書や添付資料を郵送で提出する場合、許可書の原本が返送されるため、必ず返信用封筒を同封する必要があります。
郵送方法としては普通郵便も利用可能ですが、重要な書類であるため、追跡可能な簡易書留での郵送をお勧めします。
なお、郵送にかかる費用(送料)は、申請者自身の負担となりますのでご注意ください。
申請書の提出にかかる郵送費用は以下の通りです:
- 申請書原本用封筒
切手代:140~250円
簡易書留代:310円 - 返信用封筒
切手代:140円
簡易書留代:310円
【合計】 900~1,000円
これらの費用は郵送方法によって変動する可能性があるため、必ず確認のうえ手配してください。
申請書を郵送する前に、提出先機関の担当者に申請書案をPDF形式で確認してもらうことをおすすめします。これにより、万が一修正が必要となった場合でも、再度郵送する手間を省くことができます。
オンライン申請(DIPS2.0の利用)
国土交通省のオンラインサービス「DIPS2.0(ドローン情報基盤システム2.0)」を使用すれば、インターネット上で簡単にドローン飛行の許可申請が行えます。操作はすべてWebブラウザ内で完結し、特別なソフトウェアのインストールは不要です。
申請は24時間受付可能で、入力した内容は自動的にチェックされるため、初めて申請を行う方でも安心です。また、過去に許可を得た申請書を再利用し、新たな申請書を作成することもできます。
【記入例】DIPS2.0による包括申請方法
ここでは、DIPS2.0を利用したドローンの包括申請の流れについて解説します。
1.証明書の取得
申請を行うには、まず動作環境に適した端末を準備し、安全な通信を確保するために証明書を取得し、ブラウザに設定します。この証明書は、申請者が接続しているシステムがドローン情報基盤システム2.0であることを確認し、システム間の通信を暗号化するために必要です。
証明書のリンクやインストール手順については、こちらから確認できます。なお、すでにインストールされている方は、この手順を実行する必要はありません。
2.アカウント作成
証明書を取得した後は、次にDIPS2.0にアクセスしてアカウントを作成します。アカウント開設の手順は次の通りです。
- 内容を確認後、「開設する」をクリック
- 「ログイン・アカウント作成」をクリック
- 「個人の方のアカウント開設」を選択
- 利用規約を確認
- 必要事項を入力
3.機体登録
DIPS2.0にログインした後、使用するドローンの登録を行います。手順は以下の通りです。
- メインメニューから「新規登録」を選択
- 本人確認方法を選ぶ
- 本人確認を実施
- 所有者の情報を入力
- 登録するドローンの詳細情報を入力
- 使用者情報を入力(所有者と使用者が同じ場合は入力不要)
- 入力内容を確認し、「登録申請」をクリック
- 登録した電話番号に送られるショートメッセージを確認
4.操縦者登録
次に、「操縦者情報の登録・変更」から操縦者を登録します。手順は次の通りです。
- メインメニューから「操縦者情報の登録・変更」を選択
- 「新規作成(技能証明なし)」を選ぶ
- 操縦者の情報を入力
- 表示されるメッセージを確認し、「OK」をクリック
操縦者情報には、以下の詳細項目を記入する必要があります。
操縦者情報の登録に必要な項目は以下の通りです。
操縦者情報
- 氏名
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所
HP掲載団体技能認証情報
- 発行団体コード
- 講習団体コード
飛行の詳細情報
- 機体の種類
- 飛行の区分
- 技能認証番号
- 発行日
- 技能認証証明書
飛行の実績
- 操縦者の適合に関する設問(5問)
- 航空機ごとの飛行時間
技能証明をすでに取得している場合でも、DIPS2.0上ではその情報は自動で連携されません。そのため、「新規作成(技能証明なし)」を選択して、再度情報を入力する必要がありますが、特に問題はありません。
5.簡易カテゴリー判定
申請を行う前に、飛行形態がどのカテゴリーに該当するかを確認します。
- 「飛行許可・承認の申請書を作成する」から「新規申請」をクリック
- 「簡易カテゴリー判定をはじめる」から「次へ」をクリック
- 該当する項目にチェックを入れ、「次へ」をクリック
- 判定結果を確認し、「飛行許可・承認申請へ」をクリック
6.飛行概要・飛行詳細を入力する
- 飛行の目的や飛行場所を選択
- 立入管理措置の方法を選択
- 飛行許可が必要な理由を選択
- 飛行期間および場所を設定
- 飛行範囲を選択
- 申請先を選択
飛行範囲に関しては、「日本全国」または「都道府県」単位で特定の範囲を選択します。
許可を得ることで、選択した範囲内で一定期間の飛行が可能になります。
範囲を特定することは可能ですが、予定外のエリアでドローンを飛行させる可能性を完全に排除できる場合に限ります。基本的には「日本全国」を選ぶことをおすすめします。
他のエリアで飛ばす予定がなくても、後に県をまたぐ必要が生じる場合が多いためです。
なお、「日本全国」と指定しても、1つの県でしか飛行しなくてもペナルティは発生しません。
7.飛行機体・操縦者を選択する
アカウントに登録した機体および操縦者を選択します。
【機体登録】
- 機体情報一覧・選択をクリック
- 飛行する機体を選択し、「機体追加」をクリック
- 飛行形態に応じた追加基準を入力
- 機体の性能に応じたドローンの写真を添付
- 登録内容を確認し、「登録」をクリック
機体を選択しただけでは、申請内容(飛行方法)に必要なドローンの性能が登録されていないため、エラーメッセージが表示されます。
機体情報一覧を右にスクロールし、「追加基準」を選択。その後、表示された性能条件に適合していることが確認できる写真をアップロードしてください。
例えば、人口集中地区での飛行にはプロペラガードの装備が求められます。その場合、機体全体の写真をアップロードし、プロペラガードが装着されていることを示すようにしましょう。
【操縦者選択】
- 「操縦者選択」をクリック
- 該当する操縦者を選択し、「操縦者追加」をクリック
- 「登録」をクリック
操縦者情報は、DIPS2.0のアカウント開設時に入力した内容が自動的に反映されます。
そのため、登録済みの操縦者の中から、申請する飛行の操縦者を選ぶだけで、登録作業は完了します。
8.飛行マニュアルの選択
次に行うのは、安全な飛行のためのマニュアルの選択です。
国土交通省が公開している「航空局標準マニュアル」を利用するか、自分で作成したマニュアルを使用するかを選びます。
DIPS2.0では、用途ごとに用意された6種類の航空局標準マニュアルから選択できます。
例えば、空中散布やインフラ点検、研究開発を目的としない飛行であれば、以下の2種類が該当します。
- 航空局標準マニュアル①:飛行場所を指定する申請向け
- 航空局標準マニュアル②:場所を特定しない申請のうち「人口集中地区」「夜間飛行」「目視外飛行」「30m接近飛行」「危険物輸送」「物件投下」などに対応
特に、全国を対象とする包括申請では、「航空局標準マニュアル②」を選択することが一般的です。
ただし、これらの標準マニュアルには、飛行条件に関する細かな制限があります。
たとえば、風速が5m/sを超える環境での飛行を希望する場合など、標準マニュアルの範囲を超えるケースでは、自作のマニュアルを用意し、そちらを添付して申請しましょう。
9.その他の事項を入力
ドローン保険に加入している場合は、申請時に次の情報を記載する必要があります:
- 保険会社名
- 保険商品名
- 補償内容(対人・対物それぞれの金額)
ドローン保険は加入が義務付けられているわけではありませんが、許可が必要となるようなリスクの高い飛行では、トラブルが発生した際の損害も大きくなる可能性があります。
そのため、予期せぬ事故や損害に備えて保険への加入を強く推奨します。
また、保険情報に加えて以下の情報も入力しましょう:
- 緊急時の連絡先(氏名・電話番号)
- 許可書の受け取り方法(電子形式か紙の書類か)
安心・安全な飛行を行うためにも、万が一に備えた準備を怠らないようにしましょう。
10.申請完了
申請内容の入力がすべて完了したら、画面上に表示される情報をよく確認しましょう。
間違いや漏れがないことを確認したら、チェックボックス「申請書の内容は正しいことを確認しました」にチェックを入れてください。
その後、画面下部の「申請する」ボタンをクリックすれば、申請手続きは完了です。
あとは審査結果の通知が届くまで、しばらく待機しましょう。
10-1.完了通知が届けば申請許可完了です
申請書を提出すると、申請先の機関で内容の確認・審査が行われます。
審査が完了すると、申請時に選択した形式に応じて、許可書が作成されます。
電子形式を選択した場合
申請時に電子許可書を希望していれば、登録完了の通知メールが届いた時点で、DIPS2.0のマイページからPDF形式の許可書をダウンロードできるようになります。
紙の許可書を希望した場合
この場合も、まずは「許可書の写しが登録されました」という内容のメールが届きます。そのタイミングで、申請先に返信用封筒(切手付き)を郵送してください。封筒が届き次第、正式な許可書が返送されます。
10-2.補正指示通知が届いた場合は、適切に修正し再申請しましょう。
申請内容に誤りや不足があった場合、DIPS2.0上に「補正指示」が登録され、その旨を知らせるメールが届きます。
メールを受け取ったら、DIPS2.0にログインして申請書一覧から指摘された内容を確認してください。
指示内容に従って修正を行い、再提出することで審査が継続されます。
基本的には数日以内に対応する必要がありますが、指摘の内容によっては、修正での対応が難しいケースもあります。
その場合は一度申請を取り下げ、内容を整えてから改めて新しい申請として提出するのがスムーズです。
このようなケースに備え、事前の申請書チェックや添付資料の見直しが非常に重要です。不安な方は、申請前に専門家への相談をおすすめします。
STEP 3|飛行日誌の作成・管理

2022年12月の法改正により、これまで任意だった「飛行実績の報告」に代わって、「飛行日誌の作成」が義務付けられました。
特定飛行(飛行許可が必要な飛行)を行う場合は、必ず飛行日誌を作成してください。
さらに、飛行日誌は飛行のたびに必ず持参しなければならず、ドローンが登録されている間はその記録を保管する義務もあります。
この義務に違反すると、罰則の対象となる場合があるため、飛行のたびにしっかりと記録を残し、適切に保管しておきましょう。
飛行日誌への記録内容
飛行日誌には、以下の3つの記録をそれぞれ記載する必要があります。
- 飛行記録
- 日常点検記録
- 点検整備記録
飛行内容だけでなく、飛行前後の点検や整備に関する記録も欠かせません。
また、飛行日誌はドローン1台につき1冊ずつ作成するルールになっています。
たとえば、2台のドローンを運用する場合は、**合計6つの書類(3種×2台分)**を用意する必要があります。
1から日誌を手書きで作るのは手間がかかるため、テンプレートを利用したり、飛行日誌作成に対応したアプリの活用がおすすめです。
飛行日誌テンプレート・アプリの活用
【テンプレート】
- 国土交通省:「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」
- 一般社団法人DRC協会:「【注意喚起】飛行日誌の作成義務について」
【アプリ】
- 「BLUE SKY」ドローン飛行日誌作成・管理サービス
- 「FwriteDown」飛行日誌作成専用サービス
- 「Flight Report Cloud」ドローン飛行管理アプリ
- 「JULC飛行日誌アプリ」
これらを活用することで、ミスなく効率よく記録できます。
許可の有効期限と更新について
包括申請で取得したドローン飛行の許可は、最長で1年間有効です。
基本は3ヶ月ですが、申請時に最長1年の期間を指定することが可能です。これにより、柔軟な飛行スケジュールが組めるようになります。
なお、許可の期限が切れる前に更新申請を行う必要があります。
更新は、終了日の4~10開庁日前までに行う必要がありますので、早めの準備を心がけましょう。